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性転換で子孫繁栄!

性転換(せいてんかん)とは

ある生物個体の性別が生涯のうちに変化することをいう。また、主にヒトに関して、医学的な処置により外観や体形を他の性のものに近付けることも性転換という。

雌として成熟して繁殖に参加した後、雄に性転換して繁殖に参加することを、

雌性先熟(しせいせんじゅく)、

その逆の、雄から雌に性転換することを雄性先熟と言う。

いずれの方向にも性転換できることを双方向性転換と言う。

※性転換する魚類は、圧倒的に雌性先熟のものが多い
(雄性先熟の性転換を行う魚としてクマノミ類は有名である。)

なぜ性転換するのか

生存競争の激しい自然界で、自分の遺伝子(子孫)を後世に残すため!

多くの子孫を残すためには、子どもの数を増やして、少しでも多くの子が

生き残るようにする!

子を多く残すには・・・

①進化メカニズム(究極因)

 …体長有利性説:体サイズまたは年齢と繁殖成功との関係のしかたが雌雄で異なるとき、性転換が進化的に有利になるとされる。

↓↓↓

一夫多妻のように、大きな雄が多数の雌を独占するような生物

小さな雄はほとんど繁殖することができず、大きな雄は非常に高い繁殖成功を得られる。この場合、小さいうちは雌として繁殖し、雌を独占できるサイズまで大きくなってから雄になる、つまり雌性先熟が有利になると考えられる

雌性先熟の魚

(例)キュウセン・ブダイ・サクラダイ・サラサゴンベ・タテジマキンチャクダイ(ホンソメワケベラ)等

ベラ科、ブダイ科、ハタ科、モンガラカワハギ科、ハゼ科など

※双方向性転換ホンソメワケベラのようにかつては雌性先熟の性転換しか行わないとされてきたが、実は逆方向の性転換も可能であることが近年になって判明した種もある。これらの種では、一度優位になり雄に性転換した個体が、何らかの要因により再び劣位になった場合に、雌への性転換が起こると考えられている。

一夫一妻や、体サイズに関係なくランダムに配偶する生物

雄は小さくても多数の精子を生産してそれなりの繁殖成功を得られるのに対し、雌の繁殖成功は産卵数によって決まるので体サイズに強く依存する。その結果、小さいうちは雄として、成長して多くの卵を生産できるようになってから雌として繁殖する、すなわち雄性先熟が有利になるだろう。

雄性先熟の魚

(例)クマノミ・クロダイ・ダルマハゼ等

クマノミ類は一夫一妻のペアで繁殖を行うため、ペアのうち身体の大きいほうが卵を多く作ることができる。従って、身体の大きいほうが雌になって繁殖する方がより多くの子孫を残すことができ、このような生態が進化したと考えられている。

その場に応じて、どちらでもなれます!

②社会的性決定
サイズと繁殖成功の関係は絶対的に決まるとは限らない。たとえばホンソメワケベラのようにハレム型の一夫多妻で、グループ内で最も優位な雄が雌を独占できる場合には、雄としての繁殖成功は同じ配偶グループの他の個体より大きいか小さいかという相対的なサイズによって決まる。そのため、雄がいなくなったときに、残った雌のなかで最も大きく優位な個体が雄に性転換する。このように、個体のおかれた社会条件により性転換が誘発されたり抑制されたりすることを、性転換の社会的調節という。

双方向性転換の魚

(例)オキナワベニハゼ・ダルマハゼ・ホンソメワケベラ

引用:Wikipedia、論文「魚類の性転換:そのプロセスと進化メカニズム」桑村哲生