目次
世界中のダイバーの力で海洋ゴミを削減
変化のためのダイビング
ダイビング、海水浴、日常の散歩コース、美味しい魚介類を食べる等、海は私たちの心を癒し、楽しませてくれる大切な存在です。そんな美しい海をこれからも守っていくために、海洋ゴミ問題やマイクロプラスチック問題、サンゴ礁等の絶滅の恐れのある海洋生物の保護・保全について一度考えてみてみませんか?
PADIでは、海洋における保護・保全活動をサポートするための様々なコースがあります!私たちと一緒に、サステナブルなダイビングを楽しみましょう!
プロジェクト AWARE財団とは
1992年に設立された、ダイビング業界をリードする非営利の環境保護組織です。
プロジェクトAWARE財団のオフィスは、アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、スイス、日本にあり、世界の175の国の水中資源の保護に協力しています。
国連総会において決議された、「2021年から2030年までの期間を持続可能な開発のための国連海洋科学の10年とする」という宣言と共に、これを支援する「PADIの海洋における行動指針」を基礎として、教育、運動支援、行動を通して水中環境保護に取り組んでいます。
日本の主な活動内容
ダイバーや水辺の環境保護に興味のあるボランティアの方たちとの協力体制で水中環境問題に取り組んでいます。
●AWAREをテーマとしたPADIスペシャルティ・コースの開催
→海の環境を守るために必要な知識やスキルを身につけられるコース。
(ダイバーでなくても受けられるコース有)
▶プロジェクトAWARE ▶ Dive Against Debris ▶水中ナチュラリスト
▶ サンゴ礁の保護 ▶魚の見分け方 ▶ サメの保護
●PADIプロメンバー主導による水中と陸上の清掃活動
→クリーンナップ用ゴミ袋の作成と提供
・「バイオマスプラスチックペレット」を使った、米率70%のゴミ袋(特許取得)
・「古古米」:政府の備蓄米で古くなったものや、様々な理由で食用に適さないお米
・化石原料系プラスチック製品と比較するとCO2排出量を約30%削減できるエコ製品
→セイコー プロスペックス Save the Oceanシリーズの売上の一部を寄付
●陸上のごみ拾い活動(NPO法人 海さくらとの取り組み)
→海水・淡水域の水中環境保護に直接関連する活動を行う様々なNPO、研究所、個人に対して助成金を提供(PADIメンバーの海洋保護への取り組み、教育、発信を加速させるための支援プログラム)
などなど・・・
SDGsとは?
持続可能な(Sustainable )開発(Development)目標(Goals)
人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標
17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
(引用:外務省HP,unicef HP)
海洋ゴミの定義
海洋ゴミとは海洋にある私たちの廃棄物である。耐久性のある、生産されるか加工された個体の物質で海洋あるいは沿岸環境に捨てられるか処分されるか、遺棄されたものと定義される。海洋ゴミは人が作ったか使ったもので、海や河川、あるいは海岸に故意に捨てられたもの:河川や下水、大雨の水、風と共に海に間接的にもたらされたもの:あるいは、誤って失くしたもの、例えば、荒天のために海で失くしたものなどから成る。
私たちの海洋には2025年までに2億5,000万トンの廃棄物が流れ込んでいると推定されている。人口増加に伴う廃棄製品によって私たちの海の惑星は窒息して死につつある。
ダイバーができる10のこと
1.浮力の達人になりましょう
・適切なウエイト量
・自然環境やダイバーに接触しない
・水底の堆積物を巻き上げない
・ゴミを回収してメッシュバッグに入れる際、バディの位置取りや体の姿勢を常に意識し、必要ならそれを正すようにする
→PPB(中性浮力を極めるコース)の受講もおススメ
2.良いお手本になりましょう
自分の装備がすべて流線型になっていて、ブラブラしているものがないことを確認する
3.”とる”のは写真だけ、置いてくるのは泡だけ
・生態系のバランスを崩さないために
↓網に引っかかるニザダイを救出(元気に泳いでいきました)
↓サンゴに絡まるロープやビニール袋、回収前と後
4.水中の生物を保護しましょう
・「触らない(持たない)(乗らない)」「餌をやらない」「追いかけない」
→(餌をやらない)人に依存して生きるようになる
(例)餌が容易に手に入るために、本来遠方にわたっていくはずの渡り鳥が渡りをやめる
→(餌をやらない)繁殖行動を妨げたり、攻撃的な行動のきっかけになる
(例)餌やりの結果、ユリカモメなどの繁殖地のロシアや極東地方では越冬に成功した個体が急増したために餌が不足し、他の鳥の卵や雛を大量に捕食する(引用:市川市HP)
5.ゴミを出さないことを実践しましょう
3R
リデュース(Reduce)…ごみを作らない(発生させない)運動
▶食べ残さない
▶物を大切に使う(エンピツや消しゴムなど、なるべく最後まで使い切る)
▶「マイバック(買い物袋)」を使う
▶使い捨ての物は使わない(紙コップ、紙皿、割り箸など)
リユース(Reuse)…ごみを出さない(繰り返し使う)運動
▶「マイボトル(水筒など)」を使う
▶使いつぶした歯ブラシ、破れて着れなくなった服を利用して、部屋の掃除をする
▶シャンプーや洗剤などは、詰め替えができるものを選ぶ
リサイクル(Recycle)…ごみを生かす(資源に戻す)運動
▶分別して捨てる
▶エコマークの物を選ぶ(エコマーク認定の自動車保険!?)
5R
Refuse(リフューズ)断る:ごみになるものを断ること
Reduce(リデュース)発生抑制:ごみを発生させないこと
Reuse(リユース)再使用:ものを繰り返し使うこと
Repair(リペア)修理:ものを修理して使うこと
Recycle(リサイクル)再生利用:資源として再生利用すること
6.シーフードの選択に責任を持ちましょう
「サステナブル・シーフード」を選択することが、海を守るためにつながります!
MSC「海のエコラベル」が付いた水産物は、水産資源や環境に配慮しているとして、第三者の審査機関による審査によって認証された持続可能な漁業で獲られたものです。サプライチェーン全体にわたり、MSC認証の水産物は、非認証のものとは分けて扱われます。認証水産物には明確なかたちでラベルが付けられるため、消費者は安心して選ぶことができます。
Marine Stewardship Council(海洋管理協議会)
持続可能な漁業・水産物の普及を目指す国際的な非営利団体(NPO)
近年、私たちの食文化に無くてはならない魚介類(水産資源)が、乱獲や環境破壊などが原因で減少の一途をたどっています。特に「違法・無報告・無規制」に行われる漁業(IUU漁業)が大きな要因のひとつといわれており、違法に乱獲された安い水産物を私たちが選択し続けるとやがて海の資源は枯渇し、再生する力も失われてしまう可能性もあります。
海の恩恵を受け続けるためには、資源管理や環境・社会にも配慮した持続可能な方法で生産(漁獲・養殖)された水産物「サステナブル・シーフード」を選ぶことが必要不可欠なのです。
海を守るためのエコラベルが付いた商品やメニューが近くのスーパーや飲食店にはおいていない、商品ラベルをチェックしてもサステナブル・シーフードを選ぶことができない、そんな場合は、声をあげて、意思表示をすることができます。
(参考)▶https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/citizenship/environment/sustainable_seafood.html
▶https://www.wwf.or.jp/campaign/osakana/
7.行動を起こしましょう
どんなに雑誌やテレビ、SNSを見るよりも、「実際に見る」ということが大切です。サンゴ礁やウミガメなど、海洋生物についての知識はあるでしょうが、それだけではなく、実感として知っていただきたいのです。
海岸へ行き、マスクをつけて海中世界を覗いてみて下さい。サンゴ礁の美しさ、生きもの達の可愛らしさ、面白さを感じることができたなら、それが、海洋環境を守ることに繋がる第一歩です。そして、ぜひ身近な海に足を運んでみて下さい。
▶太平洋側は、こんな身近に広大なサンゴの群生地があったんだと驚くことでしょう。ソラスズメダイやツノダシ等、色とりどり様々な魚達が乱舞しています。ウミガメだって時にはやってきます。海にはロマンが…とよく言いますが、自分が感じる海のロマンを見つけてみませんか?
▶日本海側は、荒々しく冷たいという印象を持たれている方が多いですが、初夏~12月はその真逆、水温は30℃まで上がっていき、稚魚や成魚が何万匹と群れ、命の芽吹きと豊かさを感じることができます。賑やかな海中世界があなたを待っています。想像を超えた感動があなたを待っています。
▶瀬戸内海は、海底の砂地に群生するウミサボテンが何とも奇妙で、まるで映画アバターの世界のようです。内湾ならではのグリーンカラーとアカモク等の海藻林は、何度か潜っているうちに、故郷に帰った時のような心にホッと温かみを感じます。まさに「命のゆりかご」です。
SNSやメディアで紹介される情報は、ほんの一部分です。ぜひ身近な海に何度も足を運び、海中の四季を感じ、慣れ親しんでみて下さい。愛着がわき、守りたいと思う気持ちが、海洋環境保護や保全の原動力になります。
8.エコ・ツーリストになりましょう
エコツーリズムは、自然環境や歴史文化を体験しながら学ぶとともに、その保全にも責任を持つ観光のあり方である。生態観光ともいう。wiki引用
取り組みを進めていくことで、
「私が変わる」自然の美しさ・奥深さに気づき自然を愛する心が芽生え、
地球環境問題や環境保全に関する行動につながっていく。
「地域が変わる」 地域固有の魅力を見直すことで、地元に自信と誇りを持ち生き生きとした地域になる。
「そしてみんなが変わる」私たちの自然や文化を守り未来への遺産として引き継いでいく
活力ある持続的な地域となる。
まさに今、私たちが、未来のためにできる取り組みのひとつです
(環境省引用)
9.CO₂排出を少なくしましょう
・省エネ機器にする
(また、フィルターは定期的に清掃してホコリや汚れを落とすことで節電)
・TVの「ながら見」をやめ必要なとき以外は小まめに消す
・TV画面を必要以上に明るくすると消費電力が増え、目にも負担がかかるため、やや明るさを落とすよう調整してみる
・使っていない部屋の照明を消す
・マイバックを使う
余談・・・
ブルーカーボンとは
2009年10月に国連環境計画(UNEP)の報告書において、藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれた(captured)炭素が「ブルーカーボン」と命名され、吸収源対策の新しい選択肢として提示。ブルーカーボンを隔離・貯留する海洋生態系として、海草藻場、海藻藻場、湿地・干潟、マングローブ林が挙げられ、これらは「ブルーカーボン生態系」と呼ばれる。
10.寄付や基金に協力しましょう
2023年限定AWAREカードのデザインが決定しました!(ハンマーヘッドシャーク)
設立30周年記念の特別デザインになっています!
● 発行開始:2023年1月5日(木)到着分より(PIC/PICオンライン申請の場合)
500円(またはそれ以上)の寄付金をいただきますと、認定カードをプロジェクトAWAREデザインのカードにて発行させていただくサービスです。
ゴミが自然界で分解されるのに要する時間
引用:https://www.padi.co.jp/visitors/aware/tilitsgone.asp